Mindfulness(マインドフルネス)

アトランタ情報誌・アニス12月号掲載コラム

ストレスコントロール方法の1つにマインドフルネス瞑想法というトレーニング法があります。マインドフルネス瞑想法は、マサチューセッツ大学医学部ジョン・カバット・ジン名誉教授によって考案された自己管理トレーニング法で数年前からアメリカのストレスクリニックでも治療の一環として積極的に取り入れられています。また、最近の瞑想ブームでマインドフルネスについての著書もたくさん発売されています。“瞑想”と聞くと怪しげに感じたり、え⁉︎修行?とネガティブな印象を受けるかもしれませんが、マインドフルネスの起源は原始仏教にあるものの、その宗教性は徹底的に削ぎ落とされ、東洋の思想や瞑想法のうち現代人に役立つエッセンスだけを抽出したスキルのトレーニング方法です。

では、マインドフルネスとは一体なんなのか?ある著書に『評価や判断を加えずに、‘いまここ’の経験に対して能動的に注意を向けること。』と書いてあり、私はこれが一番しっくりきたのですが、さらに私なりに付け加えると『呼吸だけに意識を集中させ、雑念が浮かんだら気づき、流し、しかし“無”にもならない状態』です。どちらも、ものすごく抽象的でわかりづらいかと思いますが…無理やり定義付けるなら『瞑想をベースにした脳の休息法』とでもいったところでしょうか。

人間の心、つまり感情を司るのは脳です。ストレスを感じる、注意力散漫、無気力、イライラ、肉体疲労からではない倦怠感、これらは脳疲労のサインです。その根本的な原因は、意識がつねに過去や未来ばかりに向かい‘いまここ(現在)’にない状態が慢性化していて、脳がまるで自動運転のように絶えず稼動し続けている所為です。現在に意識を向け集中する「心の練習」をすることで疲れづらい脳を作ることができます。これがマインドフルな脳の状態です。これは幼い子どもの心に近い状態、と私は思っています。小さな子供にとってはすべてが新鮮であり‘いまここ’にある目の前のことに全注意、全集中を向けています。子供は、あと先や何か別のことを考えながらクヨクヨと思い悩むことはありません。マインドフルネスは、初めて世界に触れる子どものような心を取り戻す訓練でもあるわけです。

今回はだいぶ抽象的なお話になってしまいましたが、マインドフルネスの呼吸法自体はそれほど難しくありませんので、ぜひ今日から試してみてください。マインドフルネスの呼吸法が上達してくると、脳疲労・ストレスの低減はもちろん、雑念の抑制、集中力・記憶力の向上や感情のコントロール、免疫機能の改善など、たくさんのメリットがあります。

  • 基本姿勢は椅子に座る(背筋を軽く伸ばし、背もたれから離れる)もしくは仰向けに寝る。楽な方を選ぶ。
  • 鼻から息を吸ってお腹を膨らまし、吐いた時にお腹がへこむのを感じながら腹部に意識を集中する。
  • 雑念が浮かんだら、雑念が浮かんだ事実に気づき、注意を呼吸に戻す。この時、雑念は生じて当然なので自分を責めない。
  • 1日5分からでもいいので毎日続けることが大切。慣れてきたら時間を15分間に伸ばす。
  • 同じ時間、同じ場所でやることを心がける。(脳は「習慣」が大好き)

まずはこの5つを1週間続けて自分の心の感じ方や変化を意識しましょう。その時に湧いてくる思いや感情に“良い”“悪い”の判断やラベル付けはせず、ただ受け止めて観察することを意識してください。

当院では、施術後に仰向けの姿勢で呼吸を意識して10分間、心身を休めリラックスする時間を設けています。背骨矯正で一時的に活発になった神経や血液の流れを安定させ、呼吸法に集中することで施術の効果をより持続させることができるからです。

今年は未曾有の新型コロナ肺炎の世界的流行で、これまでの常識や価値観、生活スタイルが一変してしまった1年でした。と、同時に改めて健康の大切さを痛感した1年でもありました。当院は地域の「健康よろず相談処」として、患者さんの身体だけでなく、心の健康作りにもお役に立てるよう来年も精進して参ります。皆様、良いお年を!

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です